平成23年9月17日 晴れ
6月上旬に、柴又帝釈天に行かれなかった私たち生徒の為に、松本先生が再度計画を立ててくださり、総勢27名
の柴又帝釈天巡りとなりました。

「私、生まれも育ちも葛飾柴又 帝釈天で産湯をつかい・・・」の寅さんの口上で有名な柴又帝釈天です。
この日は、ちょうど柴又宵まつり。昔懐かしい大道芸で境内も参道も賑わっていました。
柴又帝釈天は、江戸の頃より多くの参拝客が訪れるお寺で、今も観光客や参拝する人々が途絶えることはなく、
地元の人々にも愛されています。寅さんが産湯を浸かったという御神水は、今も勢いよく湧き続けています。
帝釈堂は天井に龍の画があり、奥に毘沙門天像や板本尊が収められ、外周面をぐるりと法華経説話を表す木彫群
に囲まれています。木彫のほとんどは彫刻ギャラリーとしてガラス壁で覆われており、庭園の邃渓園と共通の拝
観料で見ることができます。
庭園には富士山が見立てており、いつでも富士山が見られるように五合目・頂上もあり、これも必見です。

柴又帝釈天をお参りした後は、皆さんで門前の川千家でうなぎを食し、昼食後に参道を歩きました。
帝釈天から柴又駅に向かって続く参道。葛飾区でもっとも古い商店街であるこの参道には、今も古い建物と温か
い心が残っています。
約30軒有るお店は、食事処、土産物店、甘味処、煎餅店、飴屋、佃煮店、昆布店など、手作りが特徴の店ばかり
です。店頭で、手作りの草だんごや煎餅を一つずつ買って食べる楽しみも・・・・。
駅前の寅さんの銅像は、駅に向かいながら顔は「さくら」の居る柴又の町に向いています。

T僧侶さんから伺った話し。
南無妙法蓮華経は、光を表すヒゲ文字で書かれています。ヒゲ文字は光明点と言います。光があっちへ伸びたり、
こっちに伸びたりしています。天にも地獄にも、お題目の光が届いているのです。
仏は十世界で表します。南無妙法蓮華経の両脇に、地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人間、天、声聞、縁覚、菩薩、
如来、それぞれの世界を表すために配されています。
南無=帰依するという意味です。妙法蓮華経に帰依するということです。
悪いことをしても、南無妙法蓮華経を唱えると帰依出来るという、ありがたいお経です。
仏教とは仏になる教えです。

彫刻ギャラリー「法華経説話彫刻」 法華経の世界観が描かれています。
三車火宅の図
三人の子供たちが、燃え盛る火事に気づかず家の中で遊んでいる。父親は、早く出るように叫び続けるが、子供
たちは遊びに夢中で一向に出てこない。思い余った父親は、外にはもっと楽しいおもちゃがあるんだぞと叫び、
子供たちを家から出すために三つの車を用意した。
羊・牛・鹿の引く車だが、T僧侶さんはそれを、ベンツ・フェラリー・ランボルギーニに譬えて話されました。
子供たちが外に出ると、父親はどの子にも大白牛車(だいびゃくごしゃ・一乗の菩薩乗)を与えます。これに乗
れば、いかなる人も同じ一乗の悟りを得られると。
大白牛車はロールスロイスに譬えられると、T僧侶さんは言われました。
さらに、燃えている家屋は=迷いの世界。父親=お釈迦様。子供たち=凡夫に譬えられ、すべて法華経によって
助けられた、と話されました。

さらにT僧侶さんが、お通夜の席で檀家さんに話されることを教えていただきました。
四人の妻のお話です。
あるお金持ちの人に四人の妻がいました。
お金持ちの人が亡くなるときに、一人で死ぬのは寂しいから、四人の妻に一緒に逝って欲しいと頼みました。
可愛くて一生懸命世話した一番目の奥さんには、可愛がってくださった貴方と別れるのは辛いことですが、一緒
にはいけませんと断られました。
欲しくてたまらず手に入れた二番目の奥さんには、手に入れたのは貴方の勝手と断られました。
口うるさいが居て助かる三番目の奥さんには、お墓には行きますが、一緒には勘弁してくださいと断られました。
眼中に全くなく、大事にしたことのない四番目の奥さんは、私は一緒に参りますと言われました。

これは何を表すのかと言えば、一番目の奥さんは、自分の身体、肉体のことを差します。
二番目の奥さんは、自分の欲、名声、地位、お金、財産です。いくら欲しくても、あの世には持っていけません。
三番目の奥さんは、実際の妻です。
四番目の奥さんは、自分が生きている間の行ないです。本人が亡くなった後も無くならない唯一のものです。
人間は善いことも悪い事もします。追善供養とは、死者の冥福を祈るために遺族が追って善いことをするという
意味なのです。
人は一生の中で善いことも悪い事もしますが、この世だけでは終わらないんですよ。

そのT僧侶さんは、11月1日から百日修行に入られるそうです。
修行は百日間だけだが、身延山の一年間の修行のほうが辛いですと言われる。
人間は、それぞれマイナス部分を持っています。一生涯修行の人もいらっしゃいます。目が見えないで生まれた
方、手がない方、足がない方など。それに比べたら百日間は・・・・、とおっしゃっていました。
朝3時・6時・9時・正午・15時・18時・23時と一日に七回、水の行をされるそうです。水に始まり水に終わる修
行ですよねと軽く言われましたが、私たちにはとても真似の出来ない修行です。
T僧侶さんは、子供たちに夢を与えられるお坊さんになりたいと、おっしゃっていました。素晴らしい僧侶にな
られる方だと思います。

今日一日、沢山の勉強ができました。
松本先生、S・Sさん、お休みなのに案内、貴重なお話をしてくださったT僧侶さんに感謝です。
ありがとうございました。
                                                     (船橋教室 M・Hさん記)