『昭和天皇実録 第一』 宮内庁編修
2015年3月30日発行 東京書籍  1890円+税

刊行の辞に宮内庁長官は「天皇崩御の後、天皇の御事蹟を編修して後世に
伝えるため、平成二年より編修事業を開始し、四半世紀にわたる編修作業
を行い、平成二十六年八月に本文六十巻を完成」とあります。第一巻の本
書は明治三十四年四月二十九日から始まり、大正二年の十二歳になるまで
の日々の御動静を細かに収められています。
『日本の大和言葉を美しく話す』 高橋 こうじ 著
2014年12月5日発行 東邦出版  1400円+税

言葉の乱れを嘆く人々が多い中、生粋の日本語である大和言葉に触れてみ
る良い機会であります。副題に「こころが通じる和の表現」とありますよ
うに、本書を通読して、知的で優雅な余韻を残す言葉づかいになれること
を目指したいです。
『死帰』 喜多 良男 著
2015年4月10日発行 鳥影社  1500円+税

副題に「人は死んだら必ずここに帰ります」とありますように、あの世の
ことが書かれています。怪しげな本が多い中、著者は市井の人ですが、四
十数年、この世とあの世を行き来して書き上げた書です。私も此の手の本
は数多く持っていますが、他書と比較して大筋で間違いないと思います。
あの世から帰って来た人は居ない、と言う前に一度お読みください。

『神道と風水』 戸谷 学 著
2013年8月30日発行 河出書房新社  1800円+税

神道と風水の関係性とは如何なるものか。本書では風水から神道の本質に
迫ると副題にある。著者は、風水は仏教伝来よりはるかに古く、神道の原
型を成立させた原理であると説き、一心同体のものであると言う。神道に
対する著者流の見方はあるが、一読するだけの価値はあります。
『冥途の旅はなぜ四十九日なのか』 柳谷 晃 著
2009年5月15日発行 青春出版社  780円+税

数学者が読み解く仏教世界の副題に興味をそそられる。冥途の旅は七×七
で四十九日、除夜の鐘は、煩悩の数六×三×二×三で百八回。これには数
学の素因数分解の発想がみえると言う。今までと違う視点から仏教の世界
をみると、なる程おもしろい。良い頭の体操になります。
『金田一家、日本語百年のひみつ』 金田一 秀穂 著
2014年8月30日発行 朝日新聞出版  760円+税

金田一家は祖父京助・父春彦・そして三代目の秀穂。国語学者を三代続け
ている家系である。その三代目が日本語に喝!である。ファミレスでの接
客言葉や若者言葉に「なんだか変?」と。「ヨロシカッタデショウカ」の
日本語文法を明解にしてくれる。また「コンビニ敬語」にも喝が入る。堅
苦しくなく、気楽に読めて尚且つ面白い。

『皇室を知りたい』 三橋 健 監修
2012年10月2日発行 学研パブリッシング  552円+税

副題に「伝統行事から公務まで天皇ご一家の今をつづる」とあり、皇室
の儀式や御所の様子、宝物・御用達の名品まで一挙に紹介ともあり、新
たな皇室の一書として完全保存版になり得る本書であります。写真も豊
富で、特に平成4年から24年までの各年の、ご一家御揃いの写真が掲載さ
れ時の移り変わりを知らされます。
『占いと中国古代の社会』 工藤 元男 著
2011年12月20日発行 東方書店  2000円+税

本書は第一章、長安東市の日書、第二章、日書の発見、第三章、国家と占
卜、第四章、官吏の出張と占卜、第五章、行旅と占卜、第六章、卜筮祭禱
簡と貞人 貞卜、第七章、卜筮祭禱簡から日書、第八章、法と習俗、から
構成され、占いの古文献を通して中国古代社会を考察している。得所大。
『墓と葬送の社会史』 森 謙二 著
2014年5月1日発行 吉川弘文館  2400円+税

日本における墓地の歴史を、いくつかの節目となる転換期を通して、死者
に対する姿勢から遺骨の取り扱い、墳墓に至る過程、家と墓の結びつきな
どを経て現代の墓地の有り様を鋭く指摘する。日本各地の習俗からヨーロ
ッパのお墓事情まで詳しく記載。葬送の自由を自己決定する今、反面に祖
先祭祀の考えを背後に追いやるように見えると著者は言う。

『伊勢の神宮 御装束神宝』 南里 空海 著
2014年1月30日発行  世界文化社  2400円+税

昨年に行われた第62回神宮式年遷宮に於ける、神様に対する御装束神宝の
数々、それらを調製する匠を著者自ら取材した本書。当代最高の美術工芸
家が、多くの時間を費やし、古義のままに形作られていく過程を丁寧に描
き出している。美しい大判の写真も豊富で、写真だけでも一見の価値あり。
『伊勢神宮の謎』  稲田 智宏 著
2013年7月9日発行  学研  1500円+税

本書の内容は第一章・創建の謎、第二章・祭神の謎、第三章・祭祀の謎、第
四章・外宮の謎、第五章・式年遷宮の謎と分かれて書かれ読者の興味をひく。
特に第二章の中「奇妙な相殿の神々」では、他書に無い興味深い執筆である。
更に第三章の中「心御柱について」では、天平瓮の置かれている状態が古文献
によって明らかにされている。謎の答えとして満足できる本書である。
『鉄道が変えた社寺参詣』  平山 昇 著
2012年10月15日発行  交通新聞社  800円+税

副題に「初詣は鉄道とともに生まれ育った」とあるように、伝統的な行事の
ひとつと考えられてきた初詣は、意外にも新しい行事であった・・・・。
成田山、川崎大師の初詣と鉄道の関係、西宮神社十日戎と鉄道との駆け引き、
恵方詣りの盛衰など、改めて社寺と鉄道との関係を思い知らされる。

『天皇の祈りと宮中祭祀』 久能 靖 著
2013年7月30日発行  勉誠出版  2000円+税

元日本テレビのアナウンサーで皇室ジャーナリストの著者が語る宮中祭祀。
一般庶民が窺い知れぬ宮中祭祀だが、ここまで詳しく書かれている本は初
めてである。特に宮中三殿に於ける祭祀の描写が必見である。またカラー
写真が豊富で貴重な絵図もあり、ぜひ一読を奨めたい本書であります。
『伊勢神宮の考古学』 穂積 裕昌 著
2013年7月5日発行  雄山閣  2800円+税

伊勢神宮の起源にまつわる書物は今までに数多く出版されているが、多く
は文献資料から説かれている。本書は考古学の立場から迫るものであり、
そういう意味では貴重な本書といえよう。瀧祭神、上御井神社などの論説、
また伊勢神宮と仏教浸透などの章は興味深く読めます。
『新・家系の科学』 与那嶺 正勝 著
2010年4月21日発行  コスモトゥーワン発行  1400円+税

副題に「二万余の調査で繁栄・衰退の法則がわかった!!」とあるように、
本人とそれに対応する先祖で運命は決まると著者はいう。対応する先祖に
は法則性があり、男兄弟四人ならば五代前まで遡れば分かるという。前作
に「家系の科学」の題名で20年前に出版されているが、重複が多い。

『遷宮のつぼ』神社本庁 監修
2013年2月20日発行 扶桑社 2000円+税

第2回目の神社検定2級のテキストになっているが、本書は主に伊勢の神宮の
式年遷宮について詳しく述べられている。遷宮関連の本が色々と出版されて
いるが、特に遷宮のクライマックスといえる遷御のことが詳しく述べられて
いるのは本書において他に無い。カラー写真も豊富で、より理解されやすい。
『日本人はなぜ日本のことを知らないのか』 竹田 恒泰 著
2011年9月29日発行 PHP新書 720円+税

著者は明治天皇の玄孫にあたる。副題に「自分の国がいつできたのか答えら
れますか?」とある。国際人としての大前提は、自分の国について知ること
です、と著者はいう。本書は第1部・第2部で構成されており、記紀神話から
日本の歴史、また学校で教わらない建国についてなど鋭い論法で説いていく。
『魂と肉体のゆくえ』 矢作 直樹 著
2013年4月15日発行 きずな出版 1300円+税

東大医学部の現役教授であり、臨床医の著者が語る「人は死なない」に続い
て2冊目となる。医療という科学の最先端にいながらにして、かつ常識を超え
た現象に遭遇しつつ考え抜かれた答え。「肉体が死んでも霊魂は生き続ける」
「死は終わりではない」という。否定論者にはぜひ一読をと願う。

『遷宮をめぐる歴史』 茂木 貞純・前田 孝和 著
2012年11月23日発行  明成社  1200円+税

副題に「全62回の伊勢神宮式年遷宮を語る」とある。今年は第62回目の式年遷宮
が行なわれるが、1300年の歴史をもつ伊勢の遷宮。第1回から今回まで全遷宮の
時代背景やその時々の特徴などを、平易に纏めた解説書は皆無であった。本書は
S63年に神道文化叢書として刊行されたが、装いも新たに再販された書であります。
『日本の宮家と女性宮家』 所 功 編著
2012年9月25日発行  新人物往来社  2300円+税

副題に「女性宮家創設と皇位継承問題を解き明かす」とある。近年はこの問題が
重要視されているが、賛否両論の争点を、宮家の歴史や系譜をふまえながら多角
的に解明している。近代の11宮家、現在の直宮家および内親王・女王など、一般
には窺い知れない部分も含めて、宮家の内情が良く分かる良書であります。
『靖国神社』  神社本庁編
2012年8月9日発行  PHP研究所  1300円+税

本書は、神社本庁で行なわれた研修会の議事録を中心に出版化された。明治2年
明治天皇の思し召しにより創建され、命名された靖国神社。「靖国問題」が政治の
世界で騒がれるが、私たちは意外とその実情を知らない。「靖国のすべてを知るた
めの教科書」ともある。教授、弁護士、神職など7名の知識人が語る良書であります。

『プレステップ 神道学』 坂本是丸・石井研士 編
2011年5月15日発行 弘文堂 1800円+税

これから学ぶ人のために神道へのナビゲーターとあり、神道の古典を読む・
神道の歴史を探る・神道と祭り、の三部構成となっている。従来の入門書と
違い、学問的な狙いで書かれており、神道を詳しく知りたい人に適している
と思う。著者は國學院大學の教授11名が執筆し内容の濃い書であります。
『岡本天明伝』 黒川 柚月 著
2012年1月28日発行 ヒカルランド 1900円+税

自動書記の日月神示や、ひふみ祝詞で注目される岡本天明の知られざる生涯
を綴った本書である。岡本天明の幼少期から、大本教での存在、自動書記が
始まる時期、そして晩年期まで余す所なく書かれている。まだ若い著者に敬
服しながらも、他書にない、岡本天明の人なりを知る格好の本書であります。
『暦の科学』 片山 真人 著
2012年5月25日発行 ベレ出版 1500円+税

国立天文台・暦計算室長の著者が放つ、天文の基礎的なことを中心に纏めら
れている。1年はなぜ365日なのか、1ヶ月とは何か、曜日はどのようにして生
まれたのかなど素朴なことから、日の出入り、太陽の南中、月の満ち欠け、日
食と月食など、解りやすい図も豊富で改めて読むと新たな発見につながります。

『神話のおへそ』 神社本庁 監修
2012年2月20日発行  扶桑社  2000円+税

神社検定・参級試験の公式テキストとして発行された本書ですが、『古事記』の
あらすじが解りやすく書かれており、さらに様々な神様の御神名も段落ごとに
纏められており、神様の系図も一目で理解できる良書です。受験されない方でも、
古事記に接する良い機会です。國學院大學の教授が執筆しています。
『神社のいろは』 神社本庁 監修
2012年2月20日発行  扶桑社  1619円+税

前記と同じ神社検定公式テキストですが、Q&A形式で書かれている本書は、身近
な神社、参拝方法、神社の由来、お祭り、神棚と家の祭り、神宮、皇室の祭り、
制度と歴史の八章に分かれております。これだけの事が一冊に纏められている本
は他に見られません。図解・写真も豊富で、神社の基礎が多角的に理解できます。
『浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか』 島田 裕巳 著
2012年2月29日発行  幻冬舎  760円+税

題名から浄土真宗関連の本と誤解されそうだが、著者の意図するところは「日本
の主な宗派を取り上げ、その特徴、宗祖の思想、教団としての歩み、他宗派との
関係、社会に対する影響などに解説を加えた」と、はじめに述べられています。
各宗派の事柄が興味深く理解でき、自家の宗派の理解にも大いに役立ちます。

『天皇家のしきたり案内』 「皇室の20世紀」編集部編
2011年12月12日発行  小学館  1600円+税

いま様々な理由で、天皇陛下・皇室に目が向けられているが、本書は「知ら
れざる宮中行事と伝統文化が一目でわかる」と副題にある。正月行事と御膳、
歌会始、ご誕生の儀式、宮廷装束、宮中晩餐など。多数のカラー図版と写真
で、細かい面にわたる解説が付いており、皇室文化がこの書で良く解ります。
『人は死なない』 矢作 直樹 著
2011年9月1日発行  パジリコ株式会社  1300円+税

衝撃的な題名だが、著者は東大医学部の現役の教授であり、医学部付属病院
救急部・集中治療部部長の臨床医でもある。患者を通して生と死を見つめ、
現在の自然科学では説明できない、非日常的な現象、霊的な部分にまで入り
込んで患者の事例を紹介している。『寿命が来れば肉体は朽ちる、という意
味で「人は死ぬ」が、霊魂は生き続ける』と著者は結論づける。
『そっと後押し きょうの説法』 そっと後押し僧侶の会
2011年12月15日発行  幻冬舎  1100円+税

早朝のテレビ番組の中で始まっていたのを、書籍化した本書。仏教各宗派の
僧侶10人が、優しく語りかける中に、味わい深い言葉がちりばめている。
「スイマセン」より「ありがとう」。「あなたにもできる」ことは「あなたに
しかできない」。「自分自身との一期一会」・・・。生きるヒントを求めて。

『日月神示 縄文サンクチュアリ 麻賀多神社編』  中矢 伸一 著
2010年10月31日発行  (株)ヒカルランド  1785円

著者が、オックスフォード大学で量子物理学と宇宙考古学の博士号を取得
したジュード・カリヴァン女史を伴って、千葉県成田市に在る、サンクチュア
リ(聖地)・麻賀多神社を訪ねる。女史は英国の協会に所属する磁場鑑定
士でもある。的確な女史の参拝記は頷くことしきりである。カラー写真豊富。
『ヒルコ 棄てられた謎の神』  戸矢 学 著
2010年9月30日発行  河出書房新社  1680円

古事記では、イザナギ、イザナミの最初の子「ヒルコ」は障害をもって生まれ、
葦舟に乗せられて棄てられてしまうが、著者はヒルコの行く末をエビス神とし、
さらにコトシロヌシと関連付けていく。新たな切り口で話しの展開は多方面に
わたり、読者を魅了する。丹生=水銀の項は参考になります。
『素顔の安岡正篤 わが祖父との想い出の日々』  安岡 定子 著
2010年10月5日発行  PHP研究所  1050円

安岡正篤先生のお弟子さん達が、師を評した本は数多く出版されているが、
実の孫である著者が、主に家庭内での「おじいちゃま」を描いている本です。
本の帯には、「こども論語塾講師として話題の著者が、昭和歴代首相の指
南役と云われた祖父との知られざるエピソードを綴ったエッセイ」とあります。

『伊勢と出雲の神々』  皇學館大學・古代出雲歴史博物館 編
2010年6月5日発行  学生社  3360円

「伊勢神宮と出雲大社の祭祀や遷宮などから、伊勢と出雲の神話や神々の
謎に迫る」 と本の帯に書かれています。平成25年は伊勢神宮において、20
年ごとに斎行される式年遷宮の年にあたり、また同じ年に出雲大社におい
ても60年ごとに斎行される平成の大遷宮が行われます。これを記念して講
演会が5回にわたり行われ、その内容を纏めたのが本書であります。
『図説 金枝篇』  サー・ジェームズ・ジョージ・フレーザー 著
2010年4月16日発行  東京書籍  4893円

「民俗学の不朽の古典『金枝篇』に、170点もの資料図版を挿入し、膨大か
つ難解な内容のエッセンスを平易に解説」 と表紙の帯にあります。1890年
に発刊されて以来、世界の各地で賞賛されたフレーザーの本書は、岩波
文庫で1951年から5冊に渡り発刊されています。難解だが名著です。
『日本人なら知っておきたい日本神話』  出雲井 晶 著
2009年2月28日発行  産経新聞社  1500円

著者は日本神話伝承館の館長であり、作家・日本画家でもあります。本書
は「古事記・神代巻」 を元に、平易に解説されていますので理解しやすく、
まだ古事記を読んだことがない人には最適な本書です。「わが国の貴重な
心の文化、魂の文化の秘められた宝庫が日本神話です」との著者の言です。


『日月神示 この世と霊界の最高機密』  中矢 伸一 著
2008年3月31日発行  徳間書店  620円

本書は1995年7月に刊行された著者の「日月神示 死者の書」の復刻版
であります。今の世、スピリチュアルブームになって久しいが、マスコミに
流れている情報は真実性が薄く、本物を見る目を養ってほしい。あの世
とこの世は写し鏡。あの世の一端が垣間見える本書であります。
『稲荷大神』  伏見稲荷大社宮司・中村 陽 監修
2009年11月10日発行  戎光祥出版社  2310円

副題に「イチから知りたい日本の神様、お稲荷さんの起源と信仰のすべ
て」と有るように、神系の稲荷神社の総本宮、伏見稲荷大社のすべてを、
また仏系の豊川稲荷との違いなどが述べられています。さらに稲荷信仰
の歴史など内容も多岐に渡り、写真も豊富で稲荷の専門書とも言えます。
『あの世に聞いた、この世の仕組み』  雲 黒斎 著
2010年3月30日発行  サンマーク出版  1680円

著者は普通のサラリーマンであり、軽いタッチで書かれている本書を書店
で見た時、購入するのを迷ったが、読み進めて行くうちに頷ける箇所が述
べられている。本書は、著者とその守護霊とのやりとりで構成されているが、
守護霊の霊格はさておき、この世の仕組みが解る指南書とも言える。

『神仏たちの秘密』  松岡 正剛 著
2008年12月20日発行  春秋社  1890円

さぶタイトルに「日本の面影の源流を解く」とあり、また「連塾 方法日本1」
とあるように、各界の著名な人達を前にして、著者が講義をした内容本。
東大客員教授を経た著者が語る内容は、まさに衝撃!グイグイと本に引か
れていく。面白いと言っては誠に失礼だが、魅力一杯の本であります。
『現代霊性論』  内田 樹 ・ 釈 徹宗 著
2010年2月22日発行  講談社  1575円

二人の著名な方が、大学で行われた対談講義を収録した読みやすい本。
講義の内容は、霊的なもの、宗教の本質、大本教から始まる現代宗教史、
さらにスピリチュアルブームに鋭くメスをいれ、多岐に渡る話の展開が、硬
くなりがちな表題とはちょっと違う、やさしい講義録となっています。
『人生生涯小僧のこころ』  塩沼 亮潤 著
2008年3月10日発行  致知出版社  1680円

副題に「大峯千日回峰行者が超人的修行の末につかんだ世界」とある。
奈良県吉野山の金峯山寺蔵王堂から大峯山まで、往復48キロ、高低差
1300メートルの山道を16時間かけて一日で往復、足掛け9年掛けて成し
遂げた仙台市の住職。得た言葉は「足ることを知ること」ともう一つ・・・。

『古代の立柱祭祀』  植田 文雄 著
2008年11月30日発行  学生社  2310円

昔ながらの家には、ひときわ太い大黒柱があった。神社の境内には注連縄が張
られた太い御神木がある。伊勢神宮の心御柱や、出雲大社の宇豆柱、そして寅
年と申年に行われる諏訪大社の御柱祭。古代遺跡に立つ巨大柱などから、その
謎を解き明かしていく考古学が専門の著者の力作であります。
『天皇の宮中祭祀と日本人』  山折 哲雄 著
2010年1月30日発行  日本文芸社  1680円

「大嘗祭から謎解く日本の真相」と副題が付いているように、大嘗祭を通して皇位
継承の意味を説き、さらに象徴天皇制を考え、世界の中での天皇陛下の存在を
説いていく。さらに日本人の死生観と天皇の章では、明治天皇の崩御に際して細
かな描写と殯宮のこと。その時に乃木將軍がとった殉死の顛末。
『生きるって人とつながることだ!』  福島 智 著
2010年3月10日発行  素朴社  1680円

「全盲ろうの東大教授・福島 智の手触り人生」と副題にある。
1962年生まれの著者は、3歳で右目を9歳で左目を失明し、18歳で失聴し全盲ろう
となってしまう。数々の想像もつかない苦労の人生だと思うが、2008年10月に東大
の教授に就任する。堅苦しくない軽妙なエッセイ集であり、かつ必読の書であります。

『ツクヨミ 秘された神』  戸矢 学 著
2007年3月30日発行  河出書房新社  1785円

古事記・日本書紀に記されている三貴子、天照大御神・月読命・須佐之男命。
このうち月読命だけは、記紀にほんのわずかな記述しかなく、謎の神と捉える
著者。三種の神器、陰陽道、天武天皇・桓武天皇の御世からツクヨミの謎を解
き明かしていく本書は、最近にない内容の濃いヒット本であります。
『日本風水』  戸矢 学 著
2005年5月1日発行  木戸出版  1785円

風水の本は巷に溢れていますが、お勧めできる良書が少ないです。
著者の独自な視点、新たな問題提起は素晴らしく、その内容は価値ある書物
になっています。風水とは何かを原書の基本原理から取り上げる一節は価値
があります。他の編も内容が濃く良い勉強になります。
『決定版 御朱印入門』  淡交社編集局 編
2008年12月22日発行  淡交社  1680円

神社仏閣で授与されている御朱印が、最近注目をあびています。
御朱印帳を手にして社寺を巡る人々が増えているようです。本書は入門編に
ふさわしく、御朱印の集め方から、各霊場の案内、多種多様な御朱印まで、
写真も豊富で、各御朱印を見ながらにして社寺を巡った気になる書です。

『子どもは親を選んで生まれてくる』  池川 明 著
2007年7月1日発行  日本教文社  1200円

産婦人科医のクリニック院長である著者は、胎内記憶・誕生記憶の研究の第一
人者として知られる。純粋無垢な子供たちが語るその記憶。誕生・胎内記憶だけ
でも凄いことだが、さらには受精する前の記憶を持つ子供も存在する。受精前の
記憶は脳ではなく魂に刻まれている、と見るこの医学者。科学が魂に近づく・・・・。

『死んだらおしまい、ではなかった』  大島 祥明 著
2009年9月16日発行  PHP研究所  1050円

著者は千葉県に実在するお寺の住職である。インパクトの強い本の題名だが
11年余の間に2046名の葬儀を執り行ったからこそ云える、説得力のある言葉。
きっかけは、ある遺族の言葉である。以来、葬儀では心を研ぎ澄まし「なにか」
を感じようとして勤め、やがて確信し得たことは「霊はたしかに実在する」である。
『日本の父母に』  安岡 正篤 著
2009年10月30日発行  致知出版社  1100円

時の総理大臣の陰の指南番と云われ、政財界のリーダーの啓発・教化に努め
られ、その精神的支柱となり、また「平成」の元号を作ったことでも有名な、漢学
者・陽明学者である安岡正篤先生が著す本書。「家庭は人間教育の素地である」
とあり、「父は子供の敬の的、母は愛の座であることを旨とする」と安岡教学の真
髄があります。
四つの憲章「父母憲章・教師憲章・児童憲章・学生憲章」は永遠の指針であります。

『伊勢神宮 神の森に参る旅』 
2008年7月26日発行  A4版  ランダムハウス講談社 1365円

「大人の歴史巡りシリーズ」の為に創刊された本書。
内宮・外宮・別宮などを様々な角度から捉えた解り易い説明文と、綺麗な
写真も豊富で、まだ行かれてない方には最適な書です。既に行かれた方
にも再度勉強になります。旅行誌的に周辺ガイドも網羅されています。


『水と森の聖地 伊勢神宮』  稲田 美織 著
2009年5月20日発行  ランダムハウス講談社 2000円

伊勢神宮に関する書物は神官とか学者が書いたのが多いが、この著者
は美大出身で、世界中の聖地を撮影し続けるなか、伊勢神宮に初めて
訪れて以来3年、その間の見聞録を瑞々しいピュアな感性で書いた文章
に一読の価値がある。写真家だけに写真も満載。伊勢の自然音CD付き。


『ひとふりの命』  大佛師 松本 明慶 著
2009年10月8日発行  蒼穹社 1890円

著者は百年に一人と言われる大佛師だが、17歳で佛像彫刻の世界に身を
委ねてから平成4年までの約30年間のエッセイ集である。
弟の死を契機にして佛様を彫り続け、やがて良き師に出会い、さらに佛像
彫刻に精進する著者。何かを成し遂げた人の人生に触れられる良き書。

『新版 ひふみ神示』  岡本 天明 著
2001年7月25日発行  コスモビジョン 8400円

最後の霊能者と称された岡本天明氏が、千葉県成田市にある「麻賀多神社」
で正神界の神が憑依し、突然始まった天啓の自動書記。
原文は数字や記号やかな文字だが、本書はそれを訳され発表された自動書記
集。昭和19年6月から昭和34年3月まで、約900ページに及ぶ天啓の書である。
『日月神示 天の叡智』  中矢 伸一 著
2009年4月30日発行  徳間書店 1680円

永らく岡本天明氏の「ひふみ神示」を研究してきた著者が、世に問うた最初の
著作本から既に18年なるが、本書はそれらのダイジェスト版ともいうべき書で
ある。天・地・人の三部作あるが、何れも「ひふみ神示」の解説を元に分かり易
く書かれています。スピリチュアルブームの中にあって、本物の書であります。
『古神道の本』  
1994年8月20日発行  学習研究社(学研) 1000円

甦る太古神と秘教霊学の全貌、と副題にあるが、今風で言うスピリチュアルも
元を訊ねてこそ正しい判断ができる。「古事記」「日本書紀」にその源流を訪ね
平田篤胤に始まる霊学の系譜を知り、それら古神道家の人物を垣間見ること
ことによって、霊学の奥深さを気がつかせる貴重な入門書とでも言える。

お祓い日和  その作法と実践』 加門 七海 著
2009年7月24日発行 メディアファクトリー社 1365円

穢れに対して祓いであるが、神社・仏閣へ行かなくても身近な物で出来ます。
塩・香・鏡・宝石・土・・・などの品を用いることでお祓いとなります。
写真も豊富で、それらの由来、用い方が第1章に書かれております。
また、品物の価格・購入先も明記され親切な内容となっています。
『氏神事典 あなたの神様・あなたの神社』 戸矢 学 著
2009年4月30日発行 河出書房新社 1260円

氏神様と産土神様は、厳密に言えば違います。
氏を苗字とすれば、日本人それぞれの氏の神様が氏神様です。
同じ苗字を持つ共通の祖先神、氏族の神、同族の神様探しができます。
100種類の苗字別に各神社が掲載されており、氏神様を知ることができます。
『決定版! 名字のヒミツ』 森岡 浩 著
2009年7月30日発行 朝日新聞出版 1365円

日本人には少なくとも10万種類以上の名字(苗字)があると言われています。
慣れ親しんでいる自分の名字、そのルーツを探すのに本書が手助けとなります。
名字の地域差から遠祖の出身を知り、氏神様探しにもつながって行きます。
巻末に1760種類名の索引が載っており、容易に探すことができます。

『100%実話! 自然霊との対話』 上丘 哲 著 
2009年6月30日発行 コスモトゥーワン社 1680円

著者の妻は、現在、ある大学の社会学の教授をやっています。
その妻に自然霊が憑依し、以来20年以上に渡る霊界通信の実話。
プロの霊能者ではない方が書いた本だけに、素朴だが平易に述べられています。
霊的なこと、幽界のことなど大いに参考なります。
マンガ 古事記 上巻』 奈良 毅 監修
2009年6月30日発行 サンマーク出版 1680円

いま静かなブームとなっている古事記。日本最古の歴史書であり、神話としてあま
りにも有名で、日本人として読まなくてはならない書、ですが、つい敬遠してしまう
のも肯けます。
読み易いマンガ本から入るのも一計です。マンガと雖も忠実に書かれています。
『口語訳 古事記 完全版』 三浦 佑之 訳・注釈
2002年6月30日発行 文芸春秋社 3500円

現代語訳で綴られ、詳細な注釈が付いた読み易い日本誕生の物語。
7年前に発行の本ですが、今でも書店で求めることができます。
少し本格的に読みたい方は最適な書と思います。